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2025.10.31 FRI
第13回
COLUMN
第13回 訪問診療のレセプト返戻を防ぐには? よくあるミスとその対策

第13回

訪問診療のレセプト返戻を防ぐには?

よくあるミスとその対策

2025.10.31 FRI

訪問診療におけるレセプト返戻の現状と課題

訪問診療クリニックの運営において、レセプト業務は非常に重要な業務の一つです。しかし、多くのクリニックでは、請求ミスや不備による「返戻(レセプトが差し戻されること)」が発生しており、その対応に多くの時間と労力がかかっています。

  • 訪問診療特有の算定基準が複雑(加算の適用条件が細かい)
  • 患者情報の入力ミス(保険証の更新漏れ、負担割合の誤入力)
  • 診療記録と請求データの不一致(診療内容の記録が不十分)
  • 診療報酬改定への対応不足(最新ルールの反映が遅れる)

レセプト返戻が発生すると、再提出のために事務スタッフの負担が増えるだけでなく、クリニックのキャッシュフローにも影響を与える可能性があります。

本記事では、訪問診療クリニックでよくあるレセプト返戻の原因と、それを防ぐための具体的な対策について解説します。

訪問診療でよくあるレセプト返戻の原因

① 保険情報の誤り(資格喪失や負担割合のミス)

  • 患者の保険証の情報が古い(保険証の更新忘れ)
  • 負担割合が異なっている(高齢者の負担割合変更を反映できていない)
  • 公費負担医療の適用ミス(難病・障害者医療などの記入漏れ)

例:よくあるケース

  • 75歳以上の患者の負担割合が1割から2割に変わったのに、以前のまま請求していた
  • 生活保護受給者の医療扶助の確認を怠り、自己負担分を誤って請求

解決策

  • 診療のたびに保険証・公費負担の資格を確認する
  • RPAを活用して、保険情報を自動チェックするシステムを導入

② 加算の算定ミス

  • 訪問診療の頻度による算定ミス(週1回と月1回の違い)
  • 複数医療機関の訪問がある場合の算定ルールの誤り
  • 必要な診療記録が不足している(訪問理由の記載漏れ)

例:よくあるケース

  • 1週間に2回訪問した場合、本来なら「初回加算+2回目加算」を請求するが、誤って「初回加算×2」として請求してしまった
  • 同じ患者に対し、在宅療養支援診療所と他の医療機関が重複して訪問診療を行い、算定ルールを誤った

解決策

  • 診療報酬点数表の最新のルールを定期的に確認する
  • RPAを活用し、加算のチェックリストを自動化する

③ 診療記録の不備(監査時のエビデンス不足)

  • 訪問理由が明記されていない(病状の経過が分からない)
  • 診療内容と請求内容が一致していない
  • 訪問スケジュールの記録が不足している

例:よくあるケース

  • 訪問診療の記録に「在宅での療養管理が必要なため訪問」と記載していないため、監査で指摘を受けた
  • 診療の際に実施した処置がレセプトに反映されていない

解決策

  • 電子カルテを活用し、診療記録をリアルタイムで更新する
  • 診療記録と請求内容の突合をRPAで自動化し、ミスを防ぐ

④ 診療報酬改定の対応遅れ

  • 加算の新要件に対応できていない
  • 新しい診療報酬の変更点が反映されていない
  • 算定ルールの変更に気づかず、以前のルールで請求してしまう

例:よくあるケース

  • 訪問診療の加算の対象患者条件が変更されたことを知らずに、従来通り請求し返戻された
  • 監査基準の変更により、エビデンスが不十分と判断され、追加資料の提出を求められた

解決策

  • 診療報酬改定の情報を常にキャッチアップし、改定のたびに内部研修を実施
  • 専門コンサルタントや業界団体の情報を定期的にチェックする

レセプト返戻を防ぐための実践的な対策

① 保険情報の事前チェックを徹底

毎回の訪問診療時に患者の保険証の有効性を確認し、負担割合の変更がないかチェック

② 加算のチェックシステムを導入

RPAを活用し、加算の適用条件が満たされているか自動チェックする

③ 診療記録とレセプト請求の連携を強化

電子カルテとレセプトシステムを連携させ、診療内容と請求内容が一致するように自動検証

④ 診療報酬改定の最新情報を常に把握

厚生労働省の通知や医療機関向けのセミナーに参加し、最新の算定ルールを把握する

⑤ 監査対策を強化し、エビデンス管理を徹底

診療の目的や経過を詳細に記録し、監査時にスムーズに提出できる体制を整備

まとめ:レセプト返戻をゼロにするために

訪問診療クリニックでは、レセプト返戻を防ぐために以下の対策を講じることが重要です。

  • 保険情報の事前チェックを徹底する
  • 加算の適用条件を把握し、ミスを防ぐ
  • 診療記録を正確に残し、監査対策を強化する
  • 診療報酬改定に常に対応できるように準備する

特に、RPAや電子カルテを活用することで、請求ミスを削減し、スタッフの業務負担を軽減することが可能になります。

次回は「訪問診療の監査はこう対応する! 院内のチェックポイント」について詳しく解説します!

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