
第9回
医療現場のAI活用はどこまで進んでいる?
RPAとの違いとは?
2025.07.09 WED
医療現場で進むAI活用の現状
近年、人工知能(AI)の発展により、医療業界でもAIを活用した業務効率化が進んでいます。
AI技術は、診断支援・患者管理・医療事務の自動化など、さまざまな分野で導入が進んでおり、特に訪問診療の分野でも業務効率化のために活用され始めています。
例えば、以下のような分野でAIが導入されています。
- 画像診断AI(X線・CT・MRIの画像解析をAIがサポート)
- 診療データ分析AI(患者の過去データから疾患リスクを予測)
- チャットボットによる患者対応(問診・予約管理の自動化)
- 診療記録の音声入力と自動転記(医師の負担軽減)
では、AIが実際にどこまで活用されているのか、そしてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とはどう違うのかを詳しく解説していきます。
AIとRPAの違いとは?
AIとRPAはどちらも業務の効率化を目的とした技術ですが、得意分野が異なります。
① RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
RPAは、既存の業務手順を自動化する技術です。
例えば、「決められたルールに従ってデータを処理する」「繰り返しの作業を自動化する」といった業務に向いています。
RPAの活用例(訪問診療クリニックの場合)
- レセプト業務の自動化(加算チェック、算定ミスの修正)
- 診療記録の整理とエビデンス管理(監査対応の準備)
- 訪問スケジュールの調整と最適化
RPAの特長:
- ルールベースの業務を自動化(決められた手順の処理が得意)
- 人的ミスを削減し、業務の正確性を向上
- すぐに導入でき、短期間で効果を実感しやすい
② AI(人工知能)
AIは、データをもとに「学習」し、より高度な判断や予測を行う技術です。
RPAが「決められた作業を自動化する」のに対し、AIは「データから判断して最適な答えを出す」という特長があります。
AIの活用例(訪問診療クリニックの場合)
- 診療記録の音声入力・自動転記(医師の負担軽減)
- 患者の疾患リスク分析と予測(AIが過去の診療データを分析し、疾患リスクを評価)
- チャットボットによる患者対応の自動化(予約管理・問診)
AIの特長:
- データを学習し、最適な判断を行う
- 複雑な判断を必要とする業務に適している
- 長期間の運用で精度が向上する(学習が必要)

訪問診療クリニックでのAI活用の可能性
訪問診療クリニックでも、AIの活用が進んでいます。
① AI音声入力で診療記録を自動化
診療記録を手書きや手入力で管理していると、医師の負担が増大します。
最近では、AI音声認識技術を活用して、診療記録を自動で電子カルテに転記するシステムが導入されています。
- 音声入力で診療記録を瞬時に記録
- 入力作業の時間を削減し、診療に集中できる
事例:Mクリニックでは、診療記録の音声入力システムを導入し、記録業務にかかる時間を50%削減しました。
② AIによる患者リスク分析
訪問診療では、患者の状態を事前に把握し、適切な対応を行うことが重要です。
AIを活用することで、患者の過去の診療データを分析し、疾患リスクを予測することができます。
- 高リスク患者を事前に特定し、適切な対応が可能
- データをもとに診療計画を最適化
事例:Nクリニックでは、AIによる疾患リスク分析を活用し、ハイリスク患者の訪問頻度を増やすことで、重症化リスクを低減しました。
③ AIチャットボットによる患者対応の効率化
訪問診療クリニックでは、患者や家族からの問い合わせが多く、事務スタッフの負担が大きいのが課題です。
AIチャットボットを導入することで、よくある質問への対応を自動化し、スタッフの負担を軽減できます。
- 診療時間外の問い合わせにも対応可能
- 予約管理・問診を自動化し、業務を効率化
事例:Oクリニックでは、AIチャットボットを導入し、電話対応時間を月20時間削減しました。
AIとRPAの使い分けが重要!
訪問診療クリニックでは、AIとRPAを適切に組み合わせることで、業務効率を最大化できます。
どんな業務に向いているのか?
項目 | RPAが得意 | AIが得意 |
---|---|---|
レセプト請求の自動化 | ✅ | ❌ |
診療記録の自動転記 | ❌ | ✅ |
監査対応の書類整理 | ✅ | ❌ |
診療スケジュールの最適化 | ✅ | ❌ |
患者の疾患リスク分析 | ❌ | ✅ |
チャットボットによる患者対応 | ❌ | ✅ |
まとめ:訪問診療の未来はAI×RPAで効率化!
- RPAは、ルールベースの業務を自動化し、ミスを削減する
- AIは、データを分析し、最適な判断を行う
- 訪問診療では、AIとRPAを組み合わせることで、業務効率を最大化できる
訪問診療の業務は、ICT技術を活用することで、よりスムーズに運営できるようになります。
これからのクリニック運営では、AI×RPAの活用が不可欠となるでしょう。
次回は「テクノロジーで訪問診療はどこまで効率化できるのか?」について詳しく解説します!
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